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SHASEN お仕事図鑑

【映像】編集技術紹介『合成/バレ消し』篇

映像編集というと、「いらないところをカットする後処理」と思われることもありますが、実際はかなりクリエイティブな作業!
流れを構成して、間やテンポを作る、『最終演出』にあたるところなのです。

でも今回は、そこよりももっと知られていない「合成」に焦点を当てた「お仕事図鑑」です。

ところで、本校のYOUTUBEチャンネルにも公開している、体験入学で参加者と一緒に撮影したショートムービー『熱血!写専塾』を観ていただけましたか?
全9話のシリーズですが、すべての回でジャンルが違うというちょっと変わった面白企画なので、まだの人はぜひ観てみて下さい。
https://www.youtube.com/channel/UCFUlDwZ49NPTY8vX7vzb_0w

 

この『熱血!写専塾』で出演している3人は芸能事務所のOFFICE MINAMIKAZE様の人気俳優さん。
わざわざ本校の体験入学に合わせて学校に来てくれているのですが、そのため事前の打ち合わせや立ち稽古などはなく、読み合わせもリハーサルも、毎回当日の撮影間際の1時間程度。かなりのスピード撮影なのです。

その出来上がりと素材を見比べながら説明していきましょう!

まずは第2話『特撮風味』から。

このシリーズ紅一点の三木綾乃さんの後ろで、井上大雅君が紙を丸めて画面左側に捨てるシーン。

左が撮影したままの素材で、右が完成映像です。

この回は特撮風味というだけあって、本編中いろんな特撮が使われているのですが、作品作りに必要なのは、そういう「見せるための特撮」だけではありません。完成映像は色を調整しているのですが、それ以外に何か気づきましたか?

なんと撮影中にきちんと撮影できているかを確認するモニターがわりのテレビの画面が黒くなっている!
単に黒くなっているだけではなく、よくよく見ると窓側のブラインドが映り込んでいたりもします。

こういう欲しくないものを作品の演出に合わせて、消したり調整したりすることを「バレ消し」と呼びます。
ちょうど不動産屋さんのチラシ写真に全然電柱や電線が写っていないのと同じ感覚ですね。

今度は教室中でパルクールが炸裂した第3話の『アクション風味』

井上大雅君がホウキを武器にパルクール男と戦うというストーリーなのですが、
ホウキで突こうとしても華麗な身体さばきで逃げられるところ。

実はこの回のアクションは全て合成。
普通のアクション撮影は何度も場当たりやリハーサルを繰り返し、万全の体制で本番の日に挑むものなのですが、
この撮影シリーズは体験入学当日の朝にしかリハーサルの時間がありません。なので、

と、別々に撮影した素材を合成で組み合わして作ったもの。
「確実な安全」のない撮影は絶対にしないのです。

なので、この回の一番の見せ場、教壇の上から回転しながら飛び降り、ホウキの攻撃をかわすカットも



という映像を組み合わせたもの。
でもこのカットで一番しんどかったのは、別々に撮ったアクションを合わせることではなく、後ろに映り込んでいる人たちを消す方だったとか…。

続いては第5話『ミステリー風味』の1コマ。

怪事件に巻き込まれて半ベソな先生(坂東慎也さん)。

何か気づきましたか?

実はこれ、左側の井上大雅君の姿勢が違うのです。

双方とても良い演技だから使いたいけど、タイミングが惜しかったり、時間の都合でセリフを切らなければならなかったりした場合は、こうやって一人一人の演技をずらして、編集の時点で「間」や「テンポ」を作る時も。

そうそう。実は一番最初に見ていただいた比較写真も、よく見れば井上大雅君の姿勢は全く一緒なのに、先生の姿勢が違いますよね。
ここもバラバラにしてタイミングを合わせたカットでした。

どうでしたか?「見せる合成」もあれば、実は「見せない合成」もいっぱい存在する。気づかれないようにする合成の方が難しい時もあるのです。

面白いなと思ったら是非本校体験入学にご参加ください。
実際に体験することができますよ。

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